本研究では、病院における医療的ケア児に対するレスパイトケアの看護の実態についての看護師の認識を明らかにする。医療的ケア児のレスパイトケアの経験がある常勤看護師に自記式質問紙を依頼し、173人(有効回答率29.6%)の回答を得た。受け入れ前後の養育者との情報交換や養育者の要望に応じた連絡や相談、子どもの安心に関わる項目は、実施していると「思う」の回答が80%以上であったが、成長発達への支援やきょうだいの様子の確認、在宅生活を見越したケアなどは低い傾向にあった。最も実施していると考えられる「5:そう思う」の選択肢に回答した項目数の比較では、小児病棟やレスパイトケアの看護の経験年数でいずれも5年以上の中央値が高かった。成長発達や在宅生活が充実するための視点をケアに取り入れるとともに、経験豊富な看護師と一緒に看護を行う、研修への参加など、知識と経験を深める工夫が必要であると考えられた。