2024 年 33 巻 p. 265-272
本研究は、医療的ケア児をもつ家族へ看護師が行う退院支援の実際について明らかにすることを目的とした。研究方法は、医療的ケア児の在宅への退院支援にかかわる看護師7名に半構造化面接を行い、質的統合法(KJ法)にて分析した。その結果看護師は、医療的ケア児の家族に対する退院支援として、【母親へ寄り添う:思いを聴くことによる精神的な支援】、【チームでのかかわり:情報共有し、家族が自信をもてるような支援】、【つながりの場:カンファレンスでの情報共有と連携】、【支援の調整:家族状況を把握した上で行う社会資源の調整】、【地域での支え:暮らしの中での看護職介入】が重要ととらえていることが明らかになった。在宅に向けた退院支援を充実させるためには、さまざまな看護職間の連携強化、教育や福祉など他機関との連携・協働の重要性が示唆された。