日本小児看護学会誌
Online ISSN : 2423-8457
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研究
採血を受ける幼児後期の子どもの取り組みの様相
藤井 加那子
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2024 年 33 巻 p. 46-53

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抄録

 研究目的は、採血を受ける幼児後期の子どもの取り組みの様相を記述することである。30名に対する採血場面の観察と看護師・保護者への面接を行い、グラウンデッド・セオリー法で分析した。子どもの採血の取り組みは【その時が来るのを待つ】、【やらないといけない状況を受け止める】、【自分が頑張れそうな形を交渉する】、【処置を始めることに向かう】、【自分なりに進行についていく】、【治まらない恐怖と闘う】、【やり遂げようと集中する】の7つの現象で構成された。この様相は【その時が来るのを待つ】を起点に分岐し、【処置を始めることに向かう】を経て【やり遂げようと集中する】に至っていた。この様相は、子どもは「やり遂げよう」とする気持ちを根底に、揺らぐ気持ちを自己調整しながら穿刺に向かっていくことであり、それは子どもの覚悟の姿としてみることができた。

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© 2024 一般社団法人 日本小児看護学会
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