2024 年 33 巻 p. 70-78
本研究の目的は、国内外で行われている発達障害とアレルギー疾患を併せもつ子どもの問題と親の疾患管理、負担や対処に関するスコーピングレビューを行い、国内外の研究の動向を得ることである。文献データベースは、PubMed、CINAHL、医学中央雑誌WEB版を用い検索を行った。21件の研究が採択された。発達障害とアレルギー疾患を併せもつ子どもの問題では、アレルギー症状が増悪することで、発達障害の特性が増加し、睡眠障害もともに出現するケースや、アレルギー症状が軽減した後に、発達障害の特性の増加がみられているケースもあった。発達障害とアレルギー疾患を併せもつ子どもの親は、定型発達の子どもに比べて子どもの行動上の問題が多いととらえていた。今回の研究の多くは、学童期以降の子どもを対象に調査しており、発達障害とアレルギー疾患を併せもつ子どもの親は多くの負担を報告していた。対処に関する記述や研究は見当たらなかった。