2024 年 33 巻 p. 8-16
本研究は、被虐待による重症心身障害をかかえた子どものケアにかかわった看護師の経験を明らかにすることを目的とした。子どものケアにかかわった経験のある看護師7名に対し、インタビューガイドに基づく半構成的面接法での質的記述的研究を行った。その結果、【子どもの感情を推し量りながらかかわる】、【人とどのように触れ合ってもらうかを考える】、【子どもの心身の安寧の保持に苦慮する】、【子どもと面会のある親との間をつなぐ】の4カテゴリが抽出された。看護師の経験の特徴は、子どもに安寧を感じてもらうことについて考え、子どもが孤立しないように気配りすることであった。看護実践では、生活の質を保証する環境やかかわりとして、子どもの身体的苦痛を最小限に留め、段階的に人と触れ合う支援の必要性が示唆された。