2024 年 33 巻 p. 1-7
本研究の目的は、眼球運動データを教育(リフレクション)に取り入れることで、小児の危険場面の観察における教育の効果を明らかにすることである。小児病棟で5年以上の勤務経験をもつ熟練看護師3名および看護学生2年生および3年生12名を対象に小児の危険場面の静止画を提示し、眼球運動を測定と質問紙調査を実施した。看護学生には静止画提示の間に熟練看護師らの眼球運動データを用いてリフレクションを行った。結果、看護師との比較ではリフレクション前の観察で「その他領域」への総注視時間は、熟練看護師よりも看護学生のほうが有意に長かった(p=0.04)。しかし、リフレクション後は差がなかった。学年別のリフレクション前後の比較では有意差はなかったものの、2年生の効果量の結果から、2年生の各領域への注視時間はリフレクションの影響が高いことが示された。