2026 年 35 巻 p. 74-84
本研究は、小児科で実施する育児支援の課題に対し、育児支援ツールを作成・試行することを通してスタッフの認識を明らかにし、その取り組み結果を組織内で共有した。育児支援チームと検討会を行い、「育児支援フロー図」「育児支援シート」「育児支援リーフレット」の3つのツールを作成した。ツールを用いた育児支援を実施後、チームメンバーにインタビューを行った結果、【小児科で実施している育児支援は家族を対象とした小児科独自の支援である】、【スタッフ間の共通理解や支援方法の共有が可能になった】、【院内ではなく、地域で母子が暮していくことができるように支援する必要がある】など7カテゴリーが抽出された。ツールの活用により、支援の流れと目標が明確化し、支援の可視化が可能となった。また、地域の社会資源とつなぐ視点が生まれた点は重要な成果である。今後は、自治体と連携し、地域全体で切れ目のない支援体制を構築することが課題である。