抄録
症例は55歳女性.1998年に強膜炎,血管炎による小腸穿孔にてWegener肉芽腫症発症,以後,多発単神経炎,多関節炎,眼窩部肉芽腫,脳梗塞,完全房室ブロック,肺腫瘤性病変,小脳梗塞,咽頭部肉芽腫等の多彩な臨床症状をPR3-ANCA上昇を伴って呈し,免疫吸着療法,cyclophosphamide経口投与,ステロイドパルス療法,IVCY療法,免疫グロブリン大量療法,ciclosporin内服等を行うも,病勢は消長を繰り返していた.2005年4月より咽頭部肉芽腫およびPR3-ANCA上昇にてWegener肉芽腫症が再燃し,ステロイドパルス療法後,rituximab 600 mgの2回投与を4週間隔にて行い上記所見はいずれも改善した.2006年2月にPR3-ANCAの上昇がみられたためにrituximabの追加投与を行った.その後prednisolone 10 mg/日のみで経過をみているが再燃を認めていない.近年,rituximabは関節リウマチ,全身性エリテマトーデスに対する有効性が注目されているが,さらにに血管炎症候群に対する有効例もみられる.本症例のように,難治性再発性のWegener肉芽腫症に対してもrituximabの有効性が示唆された.