抄録
IL-10は抗炎症性サイトカインであり,IL-27はSTAT1, STAT3依存性にIL-10の産生を誘導する.また,CD4+T細胞におけるIL-10産生において,Blimp-1(遺伝子名Prdm1)も重要な働きをもつことが知られている.
既に我々はT細胞にanergyを誘導する働きをもつ転写因子Egr-2のCD4+T細胞への強制発現により,IL-10産生が誘導されることを報告した.今回我々はIL-27によるIL-10産生誘導におけるEgr-2の関与を検討した.CD4+ナイーブT細胞のTCR刺激時にIL-27を添加するとEgr-2, Prdm1, IL-10の発現亢進が認められた.Egr-2欠損CD4+ナイーブT細胞を用いた場合,Prdm1及びIL-10のIL-27 刺激による誘導は認められなかった.更に,IL-27受容体WSX1を欠損したCD4+ナイーブT細胞では,IL-27刺激によるEgr-2の誘導が消失した.Luciferase assayによりEgr-2の誘導がPrdm1プロモーターの活性化に繋がり,ChIP assayの結果Egr-2がPrdm1のプロモーター領域に結合することが明らかとなった.また,STAT1ノックアウトマウス並びにCD4特異的STAT3コンディショナルノックアウトマウス由来のCD4+ナイーブT細胞においては,IL-27刺激によるEgr-2の誘導は認められず,双方のEgr-2誘導への関与が示唆された.これらの結果,Egr-2とBlimp-1を介したIL-27シグナル伝達経路は,ナイーブT細胞からのIL-10産生に重要であることが示された.Egr-2を発現するCD4陽性CD5陰性LAG3陽性制御性T細胞サブセットとの関連も含めて考察する.