抄録
72歳,男性.平成23年8月上旬より手関節,足関節などに急性多関節痛出現.同年10月より38度後半の発熱が持続し近医受診.抗核抗体およびRF陽性にて膠原病疑いのもと同年10月当科紹介受診.左頚部の腫脹発赤と倦怠感みられ,精査入院.頚部腫瘤が急速進行性に増悪し,CTにて多発性リンパ節腫大(両側頚部・耳下腺・顎下腺周囲・縦隔・腹腔動脈周囲)を認めた.その後汎血球減少,LDH1565IU/l, sIL-2R 3960 u/ml,意識障害を認め,DIC・悪性リンパ腫疑いにて当院血液内科へ転科.リンパ生検にて,壊死性リンパ節所見を認め菊池病と診断.血球貪食症候群の中枢神経病変による意識障害と考えステロイド髄腔内注射,ステロイド内服(1 mg/kg)開始し速やかに改善.数日後よりステロイド性せん妄と考えられる精神症状を認め,ステロイドは5日間で中止したが,リンパ節腫大は経時的に縮小し全身状態も改善したために退院.病状安定していたが,平成24年3月より発熱,全身の皮膚紅斑出現.血液検査にて汎血球減少・抗ds-DNA抗体陽性所見および関節痛などより全身性エリテマトーデスと診断.ステロイド加療にて速やかに治療反応している.意識障害を併発した菊池病の診断後に全身性エリテマトーデスを発症した症例を経験した.文献的考察を加え報告する.