抄録
目的
関節リウマチ(RA)患者において,抗リウマチ薬(DMARDs)のACPAやB細胞に対する影響を明らかにする.
方法
早期RA患者226名と晩期RA患者115名の連続した血清を用い,DMARDs(MTX vs MTXを含む3剤の経口DMARDs vs MTXと抗TNF治療併用)投与後の抗CCP2抗体を含むACPA値の変化を比較した.ACPA値はELISAを用い測定した.また,フローサイトメトリーを用いてB細胞分画を比較した.統計学的手法としてmixed effects regression model, ANOVA, t-testを用いた.
結果
研究開始時における各治療群の年齢,性別,人種,RFや疾患活動性に統計学的な有意差はなかった.治療後のACPA値の変化は早期,晩期RA患者で同じ傾向がみられた.治療後6ヶ月後にすべての治療群でACPA値の低下がみられた.治療6ヶ月以降,経口DMARDs群ではさらにACPA値の低下がみられたが,抗TNF治療群では経口DMARDs群に比べACPA値は有意に上昇した(p<0.01).末梢血記憶B細胞の割合は,健常人,経口DMARDs群に比べ,抗TNF治療群で有意に低く(p<0.01),末梢血ナイーブB細胞の割合は有意に高かった(p<0.01).
結論
経口DMARDsと抗TNF治療後のACPA値の変化は異なることが示された.治療後6ヶ月以降にACPA値が上昇した抗TNF治療群ではナイーブB細胞数の上昇,記憶B細胞数の低下がみられた.ナイーブB細胞は自己抗体産生能が高いことが報告されているが,抗TNF治療後にACPAが産生される機序については今後の研究課題である.