日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P8-14  本邦におけるICF (Immunodeficiency with Centromeric instability and Facial anomalies)症候群5例の検討
加藤 環釜江 智佳子満生 紀子小原 明林 正俊野口 恵美子久保田 健夫本間 健一小原 収今井 耕輔野々山 恵章
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2013 年 36 巻 5 号 p. 415a

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抄録
【はじめに】ICF症候群とは,Immunodeficiency,Centromeric Instability,Facial anomalyを3主徴とする常染色体劣性遺伝病である.【症例】症例1は28歳女性.両親が近親婚で,気道感染を反復し,CVID (common variable immunodeficiency)と診断した.Exome解析でDNMT3B遺伝子変異を認め,Centromeric Instabilityも認めたためICF type1と診断した.症例2は症例1の1卵性双生児の姉で,幼少時にCVIDと診断されていたが,18歳時にインフルエンザ罹患後,回復期に突然死した.症例3は15歳女児.両親が近親婚で,乳児期から感染症を反復し,眼間解離,言語発達遅延を認めた.症例4は症例3の弟で,姉弟共にCentromeric Instability及びDNMT3B遺伝子変異を認めICF type1と診断した.症例5は8歳女児.気道感染を繰り返し,CVIDと診断した.低身長,言語発達遅延,全身のカフェオレ斑,眼間解離を認め,exome解析及びSNParray解析よりZBTB24遺伝子変異を認めICF type2と診断した.【考察】ICF症候群国内5症例を経験した.低ガンマグロブリン血症は共通して認めたが,2症例で顔貌異常が明らかではなく,CVIDの鑑別としてICF症候群を疑う必要性があると考えられた.
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© 2013 日本臨床免疫学会
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