日本臨床免疫学会会誌
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6 学会合同シンポジウム
6学会合同シンポジウム5  全身性自己免疫疾患のB細胞:病態から新規治療応用まで
田中 良哉
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2014 年 37 巻 4 号 p. 255

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抄録
  関節リウマチ(RA)や全身性エリテマトーデス(SLE)などの全身性自己免疫疾患の病態形成過程で,B細胞は自己抗体産生,サイトカイン産生,抗原提示機能等を介して中心的な役割を担う.斯様なB細胞の機能や分化の異常はT細胞,単球,樹状細胞によって誘導・制御される.SLE患者の末梢血では活性化されたエフェクターメモリーB細胞が,Tfh細胞や樹状細胞サブセットの活性化,自己抗体の産生と相関して出現する.一方,B細胞の活性化制御あるいは活性化B細胞の除去による治療効果を期待して,B細胞標的治療が開発されてきた.欧米ではCD20に対する抗体リツキシマブはRAに対して使用され高い臨床効果を示し,本邦でも血管炎症候群等へ使用され,SLEに対してもCD20抗体療法が報告される.また,欧米ではリンパ球活性化抑制を目的とした抗BAFF抗体がSLEに承認された.現在,RA,SLEやループス腎炎に対してBAFF抗体,CD20抗体,CD22抗体,IFN抗体,CTLA4-Ig,TACI-Igなどの多彩なB細胞標的治療が開発段階にある.一方,CD20抗体の使用により日和見感染症の併発等の問題点も露呈したと同時に,分子標的治療の効果は,新たな病態解明や治療開発に繋がる可能性も示唆されてきた.ベッドサイドとベンチ間の双方向のトランスレーション研究により,病態解明や新規治療応用の展望が開けるものと期待される.
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© 2014 日本臨床免疫学会
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