抄録
【目的】関節リウマチ(RA)の免疫学的異常の全体像,shared epitope(SE)有無及び臨床像との関連を検討した.【方法】RA患者60名,健常人30名を対象とした.10名ではアバタセプト(ABT)治療前後での比較を行った.末梢血CD3+CD4+T細胞,B細胞,NK細胞,単球,樹状細胞のHLA-DR発現定量とFACS分類,RA患者のHLA-DRB1タイピングによるSEの有無を検討した.一部の症例ではCD4+T細胞亜分画のRNA-seqによる発現解析を行った.【結果】(1)DAS28とCD4+CD45RA-CXCR5-CXCR3-CCR6-(non-Th1/Th17)細胞比率に正の相関を認めた.リウマトイド因子とCD19+CD27highCD38high plasmablast(PB)比率,PB比率とCD4+CD45RA-CXCR5+CCR6+CXCR3-(Tfh-Th17)細胞比率に正の相関を認めた.(2)SE陽性者ではB細胞,単球上のHLA-DR発現量増加を認めた.(3)ABT治療によってHLA-DR陽性T細胞,B細胞,CD14brightCD16+単球比率が減少した.(4)CD4+T細胞亜分画のRNA-seqではCXCR5/CXCR3/CCR6による亜分画分類の妥当性が確認され,それぞれに特徴的発現パターンを認めた.【結論】RAでは多様な免疫学的異常が生じており治療によって改善しうること,特にnon-Th1/Th17, Tfh-Th17, PBは治療標的となりうることが示唆された.