日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P7-018 アダリムマブ導入前の抗リウマチ治療でリウマトイド因子が低下する症例はアダリムマブ寛解導入後の休薬維持を実現しやすい
日高 利彦橋場 弥生西 英子甲斐 泰文黒田 宏
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2015 年 38 巻 4 号 p. 356b

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抄録

  【目的】アダリムマブ(ADA)治療を当院で開始した関節リウマチ(RA)患者の寛解休薬維持に及ぼす背景因子について調べた.【対象及び方法】当院にてADA治療を行ったRA患者55例(平均年齢59歳,男性10例,女性45例)を対象とした.ADA治療を最低1年は行い,6ヶ月間以上寛解が維持できた症例で,患者さんが希望すれば休薬可とした.寛解休薬維持群(A群)ADAと治療継続群(B群)例に分けて患者背景およびADA投与期間中の臨床反応について比較した.【結果】A群は12症例,B群43例であった.患者背景ではA群はB群に比べ女性の割合が有意に低く,罹病期間が有意に短かった(ROC解析,cut off値9ヵ月).A群でRAの初期治療によりRFが有意に低下していた(それぞれ,初診時→ADA導入時,A群:150→50.5,B群:197.2→186,(P < 0.05)).MTX,PSLの併用に関しては両群で差が認められなかった.投与開始時の疾患活動性,ADA治療期間中の臨床反応に差はなかった.MMP-3は両群で低下したがA群でより低下した.【結語】罹病期間が短く,RA初期治療でRFが低下し,治療期間中MMP-3値の低下が得られれば休薬後も寛解を維持できる可能性が大きい.

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© 2015 日本臨床免疫学会
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