日本臨床免疫学会会誌
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ランチョンセミナー
ランチョンセミナー5 抗TNF薬を用いた関節リウマチに対する早期治療介入
渥美 達也
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2016 年 39 巻 4 号 p. 364

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抄録

  早期診断・早期治療の実践と生物学的製剤を中心とした新たな治療法の導入により,関節リウマチ診療は劇的に進歩した.現在では,寛解や低疾患活動性及び関節破壊の進展阻止が現実的な目標となっている.関節リウマチ診療ガイドラインでは,関節リウマチ患者に対しては,可能な限り早期に診断し,早期に治療を開始すること,MTXを中心としたcsDMARDsにより治療を開始し,効果不十分な場合に予後不良因子があれば生物学的製剤を使用することが推奨されている.一方,MTXやcsDMARDsでは十分な効果が得られない患者を早期に見出すことができれば,生物学的製剤を用いてより積極的な治療を行うことが選択肢となりえる.予後不良因子を有する早期関節リウマチ患者を対象としたC-OPERA試験では,個々の患者における投与可能量のMTXを用いることにより,高い臨床的寛解率および関節破壊の非進行率が得られた.一方では,高用量のMTXを用いても十分に関節破壊を抑制できない患者も存在することが明らかとなった.治療開始前の疾患活動性が高い,身体機能障害が生じている,MMP-3が高値である,関節破壊がすでに生じている,などの条件を有する患者では十分量を用いてもMTXだけでは関節破壊の進行を抑制できない可能性があるが,そのような患者においてもセルトリズマブペゴル投与群では関節破壊の進行がほぼ抑制された.このような患者においては早期からより積極的な治療が必要かもしれない.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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