2016 年 39 巻 4 号 p. 382b
【目的】血清プロテオーム定量解析によりANCA関連血管炎の活動性,臓器障害マーカーを探索する.【方法】RemIT-JAV-RPGN登録患者および当院患者(計169例,MPA 105例,GPA 36例,EGPA 25例,分類不能3例)の血清試料(治療前,6ヶ月後)を用いた.<プロトコール#1>MSMS解析(N = 7)で390種の血清タンパク質を同定した.血管炎と関連しうる62種を選択し,3連四重極型MSを用いたSelected reaction monitoring(SRM)法で定量解析した(N = 29).<プロトコール#2>遺伝子・タンパク質データベースから血管内皮細胞に関連するタンパク質88種を選出しSRM定量解析を行った(N = 37).同定マーカーは多検体試料でELISA解析した.【結果】治療前後で有意に変動するマーカー候補としてP#1より20種,P#2より13種を同定した.ELISA解析による治療前/6ヶ月後(寛解期)の比較におけるROC曲線下面積0.85以上の活動性マーカーとしてCRP, TIMP1, LRG1, TNC, S100A8/A9が見出された.TIMP1は6ヶ月後の非寛解例では寛解例より有意に高値であった(P = 0.013).治療前BVASスコアとの相関分析で,TIMP1, TNC, S100A8/A9, CD93, TKTはCRPより相関係数が高値であった.CD93,TKTは腎病変あり群(BVAS項目)で高値であり(P < 0.0001, P = 0.0002),6ヶ月間に腎死あり群は治療前CD93,TKT値が高値であった(P < 0.00001, P < 0.0001).【結論】最も有用な活動性マーカーとしてTIMP1,腎病変マーカーとしてCD93, TKTを見出している.