日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター)
P1-52 顎跛行を伴ったANCA関連血管炎の二例
内田 智久清水 俊匡福井 翔一岩本 直樹川上 純
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2016 年 39 巻 4 号 p. 400b

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抄録

  【症例1】85歳女性【主訴】咀嚼のしにくさ【現病歴】X年2月下旬より顎跛行,右側頭部痛,両下腿浮腫や下肢の異常感覚が出現した.3月下旬に,新たに出現した右側頭部痛に加え,右側頭動脈の圧痛も認め,50歳以上であることから巨細胞性動脈炎の診断基準を満たしていたが,MPO-ANCAとPR3-ANCAが共に陽性で尿中変形赤血球も認め,下肢の異常感覚が多発単神経炎として矛盾せず,顕微鏡的多発血管炎と診断した.プレドニゾロン55mg/日で治療を開始し,シクロフォスファミドパルス療法も追加し,下肢の異常感覚以外の症状はすべて改善した.【症例2】61歳女性【主訴】発熱,頭痛【現病歴】X年9月末より眼痛と結膜充血,10月より頭痛と微熱が出現した.11月上旬に,新たな頭痛の出現と側頭動脈の圧痛に加え,顎跛行もみられ,50歳以上であることから巨細胞性動脈炎の診断基準を満たしていたが,MPO-ANCA陽性で,間質性肺疾患や強膜炎も伴っていたため,顕微鏡的多発血管炎の疑い例と診断した.ステロイドパルスを2回施行し,プレドニゾロン40mg/日による治療で,頭痛,顎跛行は消失し,MPO-ANCA titerは低下した.【考察】顎跛行は巨細胞性動脈炎の最も陽性尤度比の高い所見であるが,巨細胞性動脈炎とANCA関連血管炎の合併例が過去にも報告されている.シクロフォスファミドの追加治療の要否に影響するため,鑑別が肝要と考えられた.

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© 2016 日本臨床免疫学会
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