日本臨床免疫学会会誌
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専門スタディー3 ヒトT細胞
ES3-4 IgG4関連疾患(IgG4-RD)においてIL-4はIgG4へのクラススイッチおよびIL-21と協調して形質芽細胞の分化誘導に関与する
秋山 光浩安岡 秀剛吉本 桂子竹内 勤
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2017 年 40 巻 4 号 p. 281b

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抄録

【目的】IgG4-RDは血清IgG4高値と末梢血中の形質芽細胞増加を特徴とする.我々はこれまで本疾患で濾胞性Tヘルパー(Tfh)細胞がB細胞のIgG4産生と形質芽細胞への分化を誘導していることを明らかにした[1-4].本研究ではIgG4クラススイッチと形質芽細胞分化誘導を担うTfhサイトカインを明らかにすることを目的とした.【方法】未治療かつ疾患活動期のIgG4-RD 7例と健常人(HC)6例の末梢血単核球(PBMC)を抗CD40抗体刺激下でTfhサイトカイン(IL-4, IL-13, IL-10, IL-21)と共に7日間培養し,上清中のIgG4, IgG量と培養細胞中の形質芽細胞分化割合を測定した.【結果】抗CD40抗体刺激下で,IL-4がIgG4-RD-PBMCからのIgG4産生量とIgG4/IgG比を有意に増加させ,HC-PBMCではこの現象は認めなかった.IL-13は両群でIgG4産生量に影響しなかった.IL-10とIL-21によるIL-4のIgG4産生促進に対する効果は認めなかったが,IL-21はIL-4と協調して有意に形質芽細胞への分化を誘導した.また,これらの結果はCD40を介する刺激に依存的であった.【結論】IgG4-RDではIL-4がCD40シグナルを介したIgG4クラススイッチと,IL-21との協調による形質芽細胞分化誘導を担っていることが示唆された.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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