40 巻 (2017) 4 号 p. 286b
大型血管炎(LVV)は,高安動脈炎(TAK)と巨細胞性動脈炎(GCA)を代表とする比較的稀な疾患である.LVV治療の第一選択薬は現在ステロイドであるが,寛解後の再燃・難治例といった問題点もあり,本疾患治療へのアンメットニーズは大きい.TAKとGCAは,発症年齢や遺伝的背景などに相違点はあるものの,病理学的特徴として肉芽腫性全層性血管炎がある.LVVの病因はいまだ解明されていないが,病態形成に関与する種々の免疫・炎症細胞や分子群については明らかになりつつある.中でも,ゲノムワイド関連解析などの考察に基づき,着目すべき分子群としてサイトカインが浮かび上がってきた.近年,関節リウマチ治療では抗サイトカイン療法がパラダイムシフトをもたらしたことを考えると,LVVに対するサイトカインを標的とした新規治療戦略に期待がもたれる.本講演では,LVVの病態形成機序について,基礎的観点から主にサイトカインの役割に着目しつつ考察を試みたい.