日本臨床免疫学会会誌
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ランチョンセミナー
LS5 潰瘍性大腸炎 内科診療におけるチオプリン製剤の意義 ~チオプリン製剤の基本と兵庫医科大学の診療成績を中心に~
中村 志郎
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2017 年 40 巻 4 号 p. 288b

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抄録

  本邦に置いて潰瘍性大腸炎(以下UC)の患者数は,最新の疫学調査で既に20万人を越えていることが報告されている.もはやUCは日常診療の中で一般的に遭遇する疾患となり,本症に対する適切な治療の必要性も非常に高まっている.UCの内科治療は2000年以降,急速な進歩を遂げ,特に難治例に対しては,2000年に血球成分除去療法,2006年チオプリン製剤,2009年タクロリムス,2010年以降にはTNF-α阻害薬の3剤も相次いで承認されている.従来には無かった有効なステロイド代替療法の登場により,実臨床ではステロイド・フリーの臨床的な寛解を長期に維持することが現実的な治療目標となっている.チオプリン製剤は,世界的にステロイド依存性の難治例に対する第一選択薬として位置付けられており,ステロイドやその他の代替療法後の維持療法として非常に重要な役割を担っている.しかし,これまで本邦では時に経験される重篤な副作用の問題などから十分普及していなかった.ごく最近,アジア人においてNUDT15の遺伝子多型が,服用早期に出現する著明な白血球減少や脱毛と関係していることが報告された.今後,事前検査による安全な運用が可能となれば,本薬剤は本邦に置いてもより普及し,難治性UCの長期予後のさらなる改善が期待されている.ランチョンセミナーでは,最新の治療指針と当院における診療成績をもとに,チオプリン製剤の基本やUC診療における意義について概説したいと考えている.

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