2017 年 40 巻 4 号 p. 289b
2010年にACR/EULARの分類基準が発表され,また同年に「目標達成に向けた治療」(Treat to Target, T2T)の考え方が導入されたことにより新規に発症した関節リウマチ(rheumatoid arthritis, RA)の治療戦略は世界的に標準化されたと考えてよいであろう.現在,本邦でも多くのリウマチ医がこの治療戦略に沿って治療しているが,RAは持続性関節炎が特徴であり,もう一つの重要な課題である臨床的寛解達成後の関節長期予後や生命予後を考慮した「治療の最適化」については世界的にデータが少ない.また同時に,RAの破壊性関節炎は発症早期に顕著であることから初期治療の重要性が強調されているが,高力価の抗CCP抗体を有するなど急速に進行する骨破壊のリスク因子を有する場合には積極的な抗サイトカイン療法も推奨される.このような関節予後不良因子を有する高疾患活動性患者に対して,TNF阻害薬であるアダリムマブとセルトリズマブペゴル(CZP)はメトトレキサート(MTX)と同時に導入が認められている生物学的製剤であり,すみやかな寛解導入と関節長期予後に関するデータも公表されている.特にCZPを用いたC-OPERA試験はMTX治療を急速増量法で行っており,現在の実臨床に近いと考えられる.本講演では,長期的な治療最適化のデータを含め,CZPを中心にTNF阻害薬における最新情報を提示したい.