日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター) 1 膠原病の病因と治療(症例報告)1
P1-8 Jaccoud関節症や両側アキレス腱断裂を起こし,経過中に僧帽弁狭窄・閉鎖不全症による急性心不全を来したSLEの1例
鈴木 翔太郎都築 清歌服部 周平四茂野 恵奈永幡 研平原 理紗竹之内 盛志横地 律子萩野 昇
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2017 年 40 巻 4 号 p. 299d

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抄録

  57歳女性.2011年1月,多関節炎,汎血球減,抗ds-DNA抗体陽性,低補体血症,心嚢水貯留から全身性エリテマトーデス(SLE)の診断に至った.同年3月,1度の僧帽弁逆流および狭窄を新たに指摘された.同年5月,自宅で転倒した際に両側アキレス腱断裂を発症し,保存的治療が行われた.その後も関節痛や腱付着部痛は残存し,手指伸展時に手指PIP関節過伸展・DIP関節過屈曲が目立つようになり,Jaccoud関節症の併存が疑われた.抗DNA抗体(RIA法)の著明高値が続き,手指関節の変形も徐々に進行したが,新たな臓器障害はなく,プレドニゾロン5 mg/日のみで加療されていた.2015年11月,ヒドロキシクロロキン200 mg/日投与を開始,抗DNA抗体の力価は急速に低下したが,2016年1月,呼吸状態が急激に悪化したため緊急入院となった.僧帽弁の肥厚・僧帽弁狭窄・閉鎖不全はいずれも高度となり,心拡大も著しく,SLEに合併した重度の僧帽弁狭窄症及び閉鎖不全症による急性心不全と診断し,入院同日に緊急手術が施行された.僧帽弁置換術及び三尖弁輪縫縮術を行い,心不全は速やかに改善した.

  Jaccoud関節症やアキレス腱断裂といった筋骨格症状を有し,数年の経過で僧帽弁狭窄症及び閉鎖不全症が悪化したSLEの一例について,その病態・病因,今後の治療について文献的考察を交えて報告する.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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