2017 年 40 巻 4 号 p. 308c
【目的】抗ARS抗体や抗MDA5抗体が陽性となる炎症性筋疾患(IIM)は間質性肺疾患(ILD)が高頻度に合併することが知られており,これらの自己抗体は現在日常診療で測定可能となっている.以前我々はclinically amyopathic dermatomyositis(CADM)のILDにおいてSP-Dが上昇しないことを報告したが(第60回日本リウマチ学会総会学術集会抄録集.2016,p436.),この度更に症例を蓄積し血清マーカーの推移を評価した.【方法】2011年1月から2017年5月に当科で寛解導入治療を行ったIIM患者の臨床データを用い解析を行った.【結果】IIM全83例のうち,抗ARS抗体はPM 8例/DM 9例/CADM 3例の20例で陽性となり,そのうち16例がILDを合併した.抗MDA5抗体陽性例は21例すべてCADMで,20例にILDを合併した.当院での治療開始時KL-6(U/mL)はARS-ILD群,MDA5-ILD群それぞれ1095.5±755.0,915.2±616.9といずれも高値であった.SP-D(ng/mL)はARS-ILD群において168.1±83.2と高値であったのに対しMDA5-ILD群では52.6±22.6と低値で全例正常値を示した.フェリチン(ng/mL)はARS-ILDで439.6±537.5,MDA5-ILDで701.2±879.2と高値であった.治療開始4週でARS-ILDではKL-6,SP-D,フェリチンは低下傾向となったが,MDA5-ILDではKL-6,フェリチンとも高値が遷延した.【結論】SP-D正常はMDA5-ILDの特徴であり,MDA5-ILDでは治療開始後もしばらくKL-6/フェリチン高値は遷延する.