日本臨床免疫学会会誌
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一般演題(ポスター) 2 膠原病の診断2
P2-20 新規急性期蛋白LRG(Leucine-rich α-2 glycoprotein)のループス腎炎のマーカーとしての検討
李 賢藤本 穣本田 宏美大河原 智治世良田 聡谷口 義典堀野 太郎寺田 典生仲 哲治
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2017 年 40 巻 4 号 p. 313d

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抄録

【背景】ループス腎炎(Lupus Nephritis; LN)は全身性エリテマトーデス(SLE)の様々な症状の中でも患者の予後を決める重要な病態である.しかし,正確な評価には腎生検が必要なため,尿検査のような簡便な検査法が望まれている.LRGはIL-6非依存性にも発現誘導される新規の急性期蛋白質として我々の研究室で同定された.LRGは炎症部位で発現する特徴があり,様々な疾患の血清マーカーとして期待されている.【目的】腎炎時に腎臓から作られたLRGが尿中に分泌される可能性があると考え,LRGのLNマーカーとしての有用性とその発現機序について調べる.【方法】LRGとLNの関係を調べるためにヒトSLE患者より尿検体と臨床検査情報を取得し,LNの有無と尿中LRGの関係を調べた.また,腎臓でのLRGの発現機序を調べるためにSLEモデルマウスであるNZB/WF1を用いて解析を行った.【結果】LRGはヒトSLE患者においてLNと診断された患者の尿で有意に上昇した.モデルマウスにおいても腎炎を認めたマウスでは腎臓でのLRG mRNA発現量が有意に上昇し,尿中にLRGが検出された.また,免疫組織化学法でLRGが腎炎時に腎臓の近位・遠位尿細管及び集合管で発現することを確認した.さらに,腎炎時に腎臓で上昇した炎症性サイトカインで初代尿細管上皮細胞を刺激した結果,LRGはIL-1βで発現が誘導された.【結論】尿中LRGはLNのマーカーとして有望であり,特にIL-1βが産生される病態を良く反映すると考えられた.

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© 2017 日本臨床免疫学会
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