2017 年 40 巻 4 号 p. 315c
【目的】関節リウマチなどの自己免疫疾患における自己抗体検査の意義は大きい.近年,抗アミノアシルtRNA合成酵素抗体など細胞質に対する自己抗体が注目されている.関節リウマチにおいても,リボゾーム構成タンパク質であるRPL23aが新たな関節リウマチ自己抗体として発見された(Ito Y et al. Science 2014: 346, 363.).Stress Granule(SG)は各種ストレスに反応して,細胞質内に形成される蛋白とRNAの凝集塊である(J Cell Biol. 2006; 172: 803-8).我々はSGに対する自己個体の検出系を確立したので報告する.【方法】関節症状を主訴として外来受診した89症例を対象とした.受診時に血清を保存した.酸化ストレス誘導剤であるsodium arsenite(0.5 mM)の60分処理することによりU2OS細胞にSGを誘導し,PFAで固定した.抗SG抗体検出は,1次抗体として症例血清とSGマーカーであるeIF3ηに対する抗体(抗eIF3η antibody(Santa Cruz),2次抗体としてCy2ラベル 抗ヤギ ロバ抗体とCy3ラベル 抗ヒトロバ抗体,核染色はHoechst33258で行なった.【成績】関節痛症例87症例のうち,抗SG抗体陽性症例が17例存在した.抗SG抗体陽性症例群では,陰性群と比べて診断未確定関節炎が多く,RFや抗CCP抗体が低い傾向にあった.【結論】抗SG抗体の検出方法を報告した.今後抗SG抗体の臨床的意義や対応抗原の同定の研究の必要がある.