日本臨床免疫学会会誌
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伝染性単核球症の回復期に亜急性壊死性リンパ節炎様症状を呈した1症例
津田 浩子奥村 雄三木村 治道田中 毅宮永 修石橋 大海仁保 喜之
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1987 年 10 巻 4 号 p. 415-419

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抄録
我々は, EBウイルス感染症すなわち伝染性単核球症(IM)の回復期に亜急性壊死性リンパ節炎(SNL)様症状を呈した1例を経験した.組織学的確診は得られていないものの,臨床的にはSNLに一致した. SNLの病因が明らかにされていない現在,その1つとしてEBウイルスの関与が示唆される症例であるため報告する.
症例は26歳,女性.発熱,咽頭痛,全身性リンパ節腫脹,肝脾腫を認め,異型リンパ球の増多を伴ったリンパ球数の増加, EB VCA-lgMの上昇を認めたためIMと診断された. IM発症約2ヵ月後,高熱と左下顎領域の圧痛を伴うリンパ節腫脹を認めた.白血球数は減少,投薬なしで良好な経過をとり,臨床的にSNLと診断された.血清学的には, IMの回復期であった.免疫学的検査では, OKT4陽性細胞の低下, OKT8陽性細胞の増加, 4/8比の低下と, NK活性の低下がみられた.
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