日本臨床免疫学会会誌
Online ISSN : 1349-7413
Print ISSN : 0911-4300
ISSN-L : 0911-4300
SLEと結核:とくに結核がSLEに及ぼす影響
長沢 浩平山内 保生横田 英介仁保 喜之
著者情報
ジャーナル フリー

1990 年 13 巻 3 号 p. 246-252

詳細
抄録
結核菌は宿主の免疫系に何らかの影響を及ぼしうることが知られている.そこで全身性自己免疫疾患の代表である全身性エリテマトーデス(SLE)の病態が,結核の罹患によって変化するか否かを検討した.昭和54年より同63年までの10年間に当科に入院したSLE患者213名のうち結核に罹患したのは5名(2.2%)であった.このうち3名は結核罹患により, SLEの病態に大きな変化はみられなかった(2名:不変, 1名:軽度悪化).これに対し,比較的重症の粟粒結核に罹患した2名のSLE患者では,結核発症3~6ヵ月の間に尿蛋白およびRA-Tの陰性化,抗核抗体および抗DNA抗体価の低下など明らかなSLEの改善がみられた.このSLEの軽快はSLEに対する治療や自然経過によるものではなく,結核罹患による影響と考えられた.このように,重症で全身に結核菌が播種されるような粟粒結核では, SLEの病態が改善することもありうることが示唆された.
著者関連情報
© 日本臨床免疫学会
前の記事 次の記事
feedback
Top