2020 年 3 巻 2 号 p. 318-325
76歳女。約2年前に右顎下部に腫脹が出現。徐々に増大し,6ヵ月前,掻痒を伴う発赤が出現したため,当院耳鼻咽喉科を受診。蜂窩織炎の診断のもとに,抗菌薬による治療を行ったが改善せず。精査治療目的に当科紹介受診となった。右顎下部に木村病を疑わせる腫瘤とリンパ節腫脹,両側大腿に点状出血,紅色の小結節を散在性に認めた。また,手指に関節痛や朝のこわばりを認め,単純X線にて関節破壊像がみられた。血中高IgG4血症(501mg/dl)を認め,組織学的に右顎下部の腫瘤,リンパ節,左大腿部の小結節のいずれにも著明なIgG4陽性形質細胞浸潤を認めたことから,木村病様皮疹,リウマチ様の関節症状を呈したIgG4関連疾患と診断し,プレドニゾロン(30mg/day)内服開始した。治療開始21日目に症状は軽快したが,プレドニゾロン漸減中に間質性肺炎を発症し死の転帰となった。
(日本皮膚免疫アレルギー学会雑誌,3(2):318-325,2020)