臨床神経生理学
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特集「臨床に役立つ神経筋電気診断」
ミオトニア・周期性四肢麻痺症候群
中村 友紀有村 由美子有村 公良
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2013 年 41 巻 2 号 p. 118-123

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抄録
筋チャネル病は, 骨格筋細胞膜イオンチャネルの遺伝子異常によりミオトニアや周期性四肢麻痺を来す症候群である。分子遺伝学の進歩により, 表現型と遺伝子型との関係の多様性が明らかとなり, 臨床症状のみから異常チャネルを特定することが困難となってきた。現在のところ, 考えられる異常チャネル全ての遺伝子変異を検索するには膨大な費用と労力を要する。一方, チャネル異常は筋細胞膜興奮性変化を生じ, 各チャネル変異に特徴的な症状を呈する。それらの特徴的な症状に基づいた複数の運動負荷試験を組み合わせることで, 遺伝子変異検索前にあらかじめ異常チャネルを推定しようとする手法がある。遺伝子診断前の絞り込みあるいは筋細胞膜興奮性変化の客観的評価という点で, この一連の電気診断法は重要である。
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© 2013 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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