2018 年 46 巻 2 号 p. 95-100
2011年, 低密度リポ蛋白質受容体関連蛋白質4 (LRP4) の細胞外領域に対する自己抗体が一部のMG患者血清中に存在することが確認された。しかしその頻度については研究によってばらつきがあり, 国際的な枠組みでの疫学調査, 抗体測定方法間のvalidationを解決法として考慮すべきであろう。LRP4はアセチルコリン受容体, MuSK同様, 神経筋接合部形成に必須である。そして「アグリン仮説」を担い, 筋膜上でアグリン, MuSKと複合体を形成している。抗LRP4抗体の作用機序としては神経筋伝達機能を保持するためのシグナルの機能的阻害が推測される。病態の推測と受動・能動免疫による動物モデルが作製可能である点から病原性のある自己抗体として捉えられている。抗LRP4抗体については重要な問題が提起されている。それは筋萎縮性側索硬化症を筆頭とする他の神経筋疾患におけるLRP4抗体の陽性症例である。われわれが測定しているLRP4抗体とはいったい何か。最新の知見を交えて概説したい。