臨床神経生理学
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46 巻, 2 号
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原著
特集「重症筋無力症 Up to date」
  • 今井 富裕
    2018 年 46 巻 2 号 p. 78
    発行日: 2018/04/01
    公開日: 2018/04/17
    ジャーナル フリー
  • 畑中 裕己
    2018 年 46 巻 2 号 p. 79-84
    発行日: 2018/04/01
    公開日: 2018/04/17
    ジャーナル フリー
  • 山本 大輔
    2018 年 46 巻 2 号 p. 85-94
    発行日: 2018/04/01
    公開日: 2018/04/17
    ジャーナル フリー

    重症筋無力症 (myasthenia gravis: MG) での興奮収縮連関の障害についてはいくつかの報告があるが, 簡便な検査法がなかったために注目されてこなかった。しかし加速度センサーを用いることによって, 複合筋活動電位と運動開始の潜時差から興奮収縮連関時間 (ECCT) が測定できるようになり, また最大加速度は最大単収縮力として, 比較的容易に興奮収縮連関を評価できるようになった。その結果MGにおいて, 1) 咬筋疲労には終板伝達障害と興奮収縮連関障害が独立して関与していること, 2) 抗リアノジン受容体抗体が興奮収縮連関障害に関与すること, 3) タクロリムスの内服により興奮収縮連関障害が早期から改善すること, 4) post-tetanic potentiationが障害されていること, 5) 咬筋冷却による筋力改善には, 終板伝達と興奮収縮連関の改善が関与していることが明らかになった。

  • 中根 俊成, 樋口 理, 高松 孝太郎, 松尾 秀徳, 安東 由喜雄
    2018 年 46 巻 2 号 p. 95-100
    発行日: 2018/04/01
    公開日: 2018/04/17
    ジャーナル フリー

    2011年, 低密度リポ蛋白質受容体関連蛋白質4 (LRP4) の細胞外領域に対する自己抗体が一部のMG患者血清中に存在することが確認された。しかしその頻度については研究によってばらつきがあり, 国際的な枠組みでの疫学調査, 抗体測定方法間のvalidationを解決法として考慮すべきであろう。LRP4はアセチルコリン受容体, MuSK同様, 神経筋接合部形成に必須である。そして「アグリン仮説」を担い, 筋膜上でアグリン, MuSKと複合体を形成している。抗LRP4抗体の作用機序としては神経筋伝達機能を保持するためのシグナルの機能的阻害が推測される。病態の推測と受動・能動免疫による動物モデルが作製可能である点から病原性のある自己抗体として捉えられている。抗LRP4抗体については重要な問題が提起されている。それは筋萎縮性側索硬化症を筆頭とする他の神経筋疾患におけるLRP4抗体の陽性症例である。われわれが測定しているLRP4抗体とはいったい何か。最新の知見を交えて概説したい。

  • 鈴木 重明
    2018 年 46 巻 2 号 p. 101-104
    発行日: 2018/04/01
    公開日: 2018/04/17
    ジャーナル フリー

    免疫チェックポイント阻害剤に関連した自己免疫有害事象として神経・筋障害は多彩である。確実な自己免疫有害事象として位置づけられているのは, 自己免疫性脳炎, 免疫性末梢性神経障害, 重症筋無力症である。特に重要なのが, 重症筋無力症であり本邦の市販後調査によるとニボルマブ単独投与後に発症する頻度は0.12%である。発症時期については免疫チェックポイント阻害剤導入早期, 多くが2回目の投与後までに発症する。臨床像については, 一般的な重症筋無力症と比べ, 症状は急速に進行し球症状やクリーゼを伴う重症例が多い。また血清クレアチンキナーゼが高値であり, 筋炎・心筋炎を合併する場合がある。免疫療法が有効であり, 免疫チェックポイント阻害剤の再開が可能となった症例もある。一方, 死亡例もあり, 癌専門医とコンサルテーションをうける神経内科医にとって適切な対応が求められる。

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