臨床神経生理学
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特集 「問題症例の脳波」
脳波所見に乏しい前頭葉てんかんの1手術例
稲次 基希橋本 聡華前原 健寿
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2020 年 48 巻 2 号 p. 87-94

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抄録

我々は左前頭葉瘢痕性病変に伴う前頭葉てんかんに対して, 頭蓋内電極を留置し発作を補足したものの, 十分な焦点の同定に至らない症例を経験した。第49回日本臨床神経生理学会学術大会において提示し, 今後の改善点を含めて討論した。瘢痕脳ではしばしば発作起始部の同定が困難である。また広範な焦点を認めることがしばしば経験されるため, 発作時SPECT, MEGなど可能な限り多くのmodalityで検討を行うことが必要と思われる。また, 電極留置には積極的な脳深部電極の併用を考慮すべきで, 発作起始部のみならず, 3次元的にネットワークをとらえることを考慮する必要がある。本症例では帯状回の関与が示唆されたが, 発作型は多様であり, 電極の刺激による発作の再現や, 積極的な皮質脳波の広周波帯域解析なども考慮すべきと考えられた。

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© 2020 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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