臨床神経生理学
Online ISSN : 2188-031X
Print ISSN : 1345-7101
ISSN-L : 1345-7101
原著
僧帽筋中部記録による反復神経刺激試験の有用性
前田 美穂森 仁
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 49 巻 6 号 p. 469-473

詳細
抄録

反復神経刺激試験は神経筋接合部疾患の診断目的に使用されることが多い検査である。僧帽筋における同検査では筋等収縮のために筋の固定が必要だが, その固定は必ずしも容易ではない。正確にかつ簡便に僧帽筋記録での反復神経刺激試験を行うための記録法として, 僧帽筋中部を記録筋とする手法を報告する。探査電極を僧帽筋上部 (従来法) と僧帽筋中部に置き, 振幅の変動を比較した。固定は被験者が座位で椅子を掴む方法を用いた。3 Hz 10回連続刺激を行い, 第1反応に対する減衰率 (%) に関して連続差平均を用いて検討した。通常使用される僧帽筋上部記録・筋固定ありの方法では振幅が一定しない場合でも, 僧帽筋中部記録・筋固定なしでは振幅が一定し, 揺らぎが少ないことが示された。副神経の反復神経刺激試験において僧帽筋中部記録で筋の固定を行わない方法が有用である。

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top