臨床神経生理学
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症例報告
神経超音波を用いた症状誘発肢位での動的評価が診断の一助となった真の神経原性胸郭出口症候群の1例
山﨑 博輝高松 直子野寺 裕之松田 拓牟礼 英生安田 宗義和泉 唯信
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2021 年 49 巻 6 号 p. 474-480

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抄録

真の神経原性胸郭出口症候群 (true neurogenic thoracic outlet syndrome; TNTOS) は電気生理学的検査によるTh1優位のC8, Th1神経根障害の証明により診断するが, 詳細な障害部位やその機序についてはMRI等の画像検査での同定は容易ではない。今回われわれは, TNTOSにおける神経障害部位の評価に症状誘発肢位での神経超音波検査が有用であった1例を経験した。症例はTNTOSと診断した14歳女性で, 右母指球, 第一背側骨間筋および小指外転筋の萎縮と, 右上肢の挙上で増強する右前腕内側のしびれを示した。神経超音波検査では頸神経根, 末梢神経とも正常であったが, 鎖骨上窩 (肋鎖間隙) から右上肢を前方挙上させながら腕神経叢を観察することで, 長大化した右C7横突起先端部から伸びた線維性索状物 (fibrous band; FB) と中斜角筋による下神経幹の圧迫所見を確認した。手術にてFBを右C7横突起先端ごと除去し, 神経学的所見, 電気生理学的所見, 神経超音波所見ともに良好な回復を得た。

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© 2021 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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