臨床神経生理学
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原著
神経筋疾患におけるMUNIXとMUNEによる運動単位推定
運動ニューロン疾患と筋疾患の鑑別における運動単位数推定に関する考察
阿部 達哉今井 富裕小森 哲夫
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2023 年 51 巻 6 号 p. 637-644

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抄録

運動単位数推定(MUNE)やmotor unit number index (MUNIX)は,神経筋疾患の機能的な運動単位数を評価する検査法である。今回,運動ニューロン疾患(MND)および筋疾患(MYO)において,MUNIXとMUNEを用いた運動単位数の評価の意義について検討した。対象はMND 10例,MYO 13例,健常者10名である。短母指外転筋でMUNIXとMUNEを実施し,成績を比較した。MUNIXはMNDとMYOで共に低値であったが,運動単位サイズ指標(MUSIX),MUNIXの算出に用いられる指数関数𝛼値で鑑別できる可能性がある。一方,MUNEもMNDとMYOにおいて低値であった。MUNIXやMUNEはCMAP振幅が低い場合に低値になるため,運動単位サイズを確認することが重要である。MUSIXとMUNEにおける単一運動単位電位の振幅はMNDで高値であり,MYOとの鑑別に役立つ。

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© 2023 一般社団法人 日本臨床神経生理学会
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