抄録
臨床検査技師からのアプローチとして, 体性感覚誘発電位 (SEP) 検査の臨床応用を概説した。脳梗塞を対象としたSEP検査は, 上肢および下肢SEPを実施することで, 感覚障害の電気生理学的な評価が可能となる。頸椎症等の脊髄疾患では正中神経刺激SEPと尺骨神経刺激SEPを併用することで, 脊髄分節レベルでの感覚障害の有無を評価できる。末梢神経障害のSEP結果は多彩である。感覚神経伝導検査で無反応な場合でもSEPのN20が観察されるケースでは, それを利用して感覚神経伝導速度を評価できる。パーキンソン病 (PD) で観察されたgiant SEP (巨大SEP) は発症年齢と関係した。