日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
小児の腎移植前後のワクチン接種
亀井 宏一
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2025 年 13 巻 1 号 p. 50-55

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抄録

腎移植レシピエントは,複数の免疫抑制薬の内服を継続するため,感染症のリスクが高い。したがって,腎移植前に可能な限りワクチンを接種しておくことが重要である。不活化ワクチンは,肺炎球菌,インフルエンザ桿菌,B型肝炎などが重要であるが,いずれも乳児の定期接種に含まれており,完了してることを確認する必要がある。B型肝炎については,HBs抗体が陰性なら追加接種しておく。腎移植後は免疫抑制薬を終生継続することになり,添付文書上生ワクチンは禁忌と書かれているため,麻しん風しん混合ワクチン,水痘ワクチン,おたふくかぜワクチンなどの生ワクチンは,腎移植前,抗体価が十分(EIA-IgGで10.0以上)上昇するまで繰り返し接種を行うのが良い。現在,免疫抑制薬内服下でも免疫学的に一定の基準に達していれば生ワクチンは有効であり安全であるとする報告も出ており,今後腎移植後も生ワクチンを接種するための社会的整備が必要である。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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