2026 年 14 巻 1 号 p. 22-30
C3腎症は補体第二経路の制御異常によりC3が糸球体に過剰沈着する希少かつ難治性の腎炎であり,患者の半数以上が末期腎不全に進行する。腎移植後の再発率は60〜90%と極めて高率で,再発までの中央値はわずか33日とごく早期である。再発症例では蛋白尿などの臨床徴候出現以前から組織学的傷害が進行することが報告されており,プロトコル生検による積極的な早期診断の重要性が認識されつつある。2025年に補体B因子阻害薬イプタコパンがC3腎症に対する初の疾患特異的治療薬として承認され,従来の免疫抑制療法では制御困難であった本疾患の治療戦略は新たな局面を迎えている。一方で抗補体薬使用には莢膜形成菌による感染症リスクがあり,ワクチン接種を基盤とした多層的なリスク管理が不可欠である。本稿では,C3腎症の病態生理・診断・腎移植後の予後・治療について概説するとともに,当院で経験した腎移植後C3腎症再発の自験2症例を報告する。