2026 年 14 巻 1 号 p. 94-99
【研究目的】腎移植後悪性疾患スクリーニングの有効性について検討した。【方法】当科で腎移植を受けた135例を対象とした。がん検診を勧め,2年に1回胸腹骨盤単純CTを行った。受診の有無,および不完全受診ないしは非受診の危険因子を解析した。癌腫とその発見契機,進行度と治療も解析した。【結果】135例中113例が検診を受けていた。不完全受診もしくは非受診の危険因子は高齢のみだった。135例中14例に悪性疾患が発生していた。腎癌・前立腺癌・肺癌・皮膚癌が2例,胃癌・大腸癌・乳癌・歯肉癌・膵癌・原発不明癌が1例だった。発見の契機は,皮膚癌の2例と歯肉癌および原発不明癌は症状だったが,ほかは検診異常および検査値異常だった。癌死は原発不明癌と急速進行肺癌の症例のみだった。【結論】一般がん検診とCTによる悪性疾患スクリーニングの受診率は高く,悪性疾患の早期発見に一定の効果が得られた。