日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
総説
Banff分類2013:新たな抗体関連型拒絶反応診断基準とBanff分類が今後目指すもの
原 重雄
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2014 年 2 巻 1 号 p. 15-22

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抄録

2013年に改訂された移植腎病理国際分類(Banff分類)では,抗体関連型拒絶反応(ABMR)を中心に内容が大きく変更された。抗ドナー抗体(DSA)陽性所見,急性ならびに慢性ABMRのそれぞれに特徴的な組織所見に加え,DSAによる内皮細胞活性化の評価では,C4d陽性像,gスコアとptcスコアの和からなるmicrovascular inflammation sum score([g+ptc]≥2),特徴的な遺伝子群発現の3項目いずれかを満たすことで活性化ありと判断する。C4d陽性所見の範囲はこれまでより広く設定され,移植糸球体症の評価は電顕観察に基づいた厳密な基準に変更された。動脈内膜炎はこれまで急性T細胞性拒絶反応の所見とされてきたが,今回の分類ではABMRにも出現しうるとされ,動脈炎所見のみから拒絶反応の種類を決定することはできなくなった。C4d陽性,陰性いずれにも対応した今回のABMRは,内皮細胞障害関連遺伝子の発現という病理形態だけでは捉えられない情報をも取り込み,移植腎病理診断が新たな時代に入ったことを意味している。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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