【目的】Wilms腫瘍を原疾患とする小児腎不全患者の長期予後を検討する。【方法】1990年から2013年の間に腎移植を施行されたWTを原病とする小児11例の臨床経過と移植後の長期予後について後方視的に検討した。【結果】対象症例は男児2名,女児9名で,平均発症年齢は2.0±1.8歳であった。片側(病期ⅠからⅣ)5例,両側(病期Ⅴ)6例で,全例組織学的にはFavorable histology(FH)であった。7例はWT1遺伝子異常を有していた。両側例6例中3例は両側の腎摘出術,3例では腎部分切除術が施行され,化学療法,放射線治療が併用された。片側例の2例に初回治療後再発を認め,化学療法の追加を必要とした。治療終了後,平均4.2±1.4年経過観察の後に腎移植が施行された。3例は透析を導入せずに腎移植を受けた。移植後成績は5年および10年生着率100%,80%とおおむね良好である。1例で移植後4.8年目に縦隔リンパ節と肺転移を認め化学療法によって寛解した。【結論】病理組織学的にFHであれば,high stageの腫瘍に対しても適切な治療を行うことで良好な腎移植成績を得ることが可能である。