日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
症例報告
腎移植後血栓性微小血管障害症の治療に難渋した1例
岩原 直也福澤 信之鈴木 英孝川口 愛中村 美智子秋野 文臣田中 博原田 浩関 利盛辻 隆裕深澤 雄一郎
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2015 年 3 巻 2 号 p. 266-269

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抄録

症例は27歳男性。悪性高血圧による急性腎障害を呈し慢性腎不全に至った。約2年間の腹膜透析を経て,父をドナーにした血液型不適合腎移植(B→O)を施行した。抗ドナーHLA抗体は陽性。免疫抑制剤はtacrolimus(TAC),mycophenolate mofetil(MMF),everolimus(EVR),methylprednisolone(MPZ),basiliximab(BSX)で導入した。術後6日目に血清クレアチニン(sCr) 2.86mg/dLまで上昇し(術前sCr 12.02mg/dL,術後5日目sCr 2.71mg/dL),腎生検を施行した。迅速結果では急性抗体関連型拒絶反応(acute antibody-mediated rejection:AAMR)が疑われ血漿交換およびステロイドパルスを施行した。永久標本では血栓性微小血管障害症(thrombotic microangiopathy:TMA)の診断となり,TACが原因と考えられ減量した。しかし術後13日目にsCr 3.11mg/dLまで上昇し腎生検を施行し,AAMRの診断となりsteroid pulse(SP)およびdeoxyspergualin(DSG)を投与した。術後27日目の腎生検では,TMAの改善を認めたが一部残存病変を認め,TACを cyclosporine(CYA)に変更し,EVRを中止した。その後,腎機能の悪化は認めず術後81日目にsCr 1.97mg/dLまで改善した。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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