近年,家畜への成長促進あるいは疾病予防を目的とした抗生物質の投与が制限される動きにあるため,その代替物質の開発が行われている.本研究では,トルラ酵母抽出核酸を哺育期から育成期の交雑種肉用牛へ給与し,その飼養成績および血液成分への影響を検討した.供試牛は,交雑種雄牛24頭について,核酸を1日あたり0 g,1.5 gおよび3.0 g給与し,それぞれR0区,R1.5区およびR3.0 区の3試験区を設定した.試験期間における体重および哺育日数について試験区間で差はなかった.哺育期間における日増体重(DG)は,試験区間で差はなかったが,R0区に対してR1.5区およびR3.0区で高値となる傾向にあった.試験開始から離乳1ヵ月後までのDGは,R0区と比較してR3.0区で有意に増加した.血液成分は,離乳時の総コレステロールでR0区と比べてR1.5区およびR3.0区で有意な増加が見られた.総コレステロールを含む,これ以外の血液成分値も正常範囲内であったことから,核酸給与による負の影響は認められなかった.交雑種肉用牛へのトルラ酵母抽出核酸の給与は,哺育育成期間の飼養成績の改善を示した.