2016 年 4 巻 1 号 p. 92-98
Naïveであるヒトは本来アロ抗原に対する抗体を有さないが,同種輸血,妊娠出産,先行する同種臓器,組織移植により感作を受けた場合には,異なるHLA(human leukocyte antigen)に対して抗体を産生する。この既存抗HLA抗体はドナー特異的であれば,無処置で臓器移植が行われた場合には高率に抗体関連拒絶反応を引き起こすことが知られている。近年,抗体関連拒絶反応への理解,検出技術の進歩,抗体除去,産生抑制の脱感作プロトコールの開発により,抗ドナーHLA抗体陽性例でも,十分な術前処置により,比較的安全に腎移植が行われるようになっている。ここでは,市立札幌病院における抗ドナーHLA抗体陽性腎移植につき,その脱感作方法および成績につき述べる。