日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
症例報告
当院におけるミコフェノール酸モフェチル(MMF)後発薬の使用経験
平野 一松永 知久前之園 良一能見 勇人辻野 拓也吉川 勇希反田 直希内本 泰三上原 博史高原 健稲元 輝生東 治人
著者情報
ジャーナル 認証あり

2016 年 4 巻 2 号 p. 251-252

詳細
抄録

後発医薬品(後発薬)は,安定性試験・生物学的同等性試験を行うことで,製造販売の承認が得られるが,服用後の体内薬物動態などの検討はなされておらず,健康成人への単回投与後の血中濃度を測定比較し,厚生省の定める80~125%の範囲内で生物学的同等性が認められる。多くの薬剤で血中濃度が安定しにくいことがさまざまな文献で報告されており,移植臓器の生着に差が生じる懸念がある。今回われわれは,ミコフェノール酸モフェチル(MMF)の後発薬変更にて血中濃度の上昇しなかった自験例について報告する。MMFは,特定薬剤治療管理料の算定が認められているように,厳格な血中濃度管理の必要があるCritical Dose Drugsである。当院で採用薬の変更に伴い,先発薬から後発薬へと変更せざるを得なかった5症例中2症例で血中濃度が上昇しなかった症例を経験した。うち1症例は血中濃度が上昇しなかったため拒絶反応を発症した可能性が示唆された。さらに2症例においては血中濃度の上昇による消化器症状の出現もみられた。大半の症例で血中濃度が不安定であったため,以降の使用は中止している。先発薬品から後発薬品への変更においては,効果や吸収に差がある可能性があり,頻回の血中濃度モニタリングを行うなどの十分な注意が必要である。

著者関連情報
© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
前の記事 次の記事
feedback
Top