日本臨床腎移植学会雑誌
Online ISSN : 2760-1714
Print ISSN : 2187-9907
症例報告
術前心理状態の諸問題に介入した生体腎移植ドナーの2症例
田村 裕子浦和 愛子渡部 小央里長谷川 智規西川 晃平杉村 芳樹片岡 三佳小森 照久岡田 元宏
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2016 年 4 巻 2 号 p. 262-265

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抄録

生体移植レシピエント・ドナーの性格特性,生活・治療背景などから生じる精神的問題を抽出するための精神科的アプローチとして,当院では全症例に対し精神科医の面談や心理検査およびその対応を検討するための精神科カンファレンスを行っており,その心理検査の1つとして,感情・気分の状態を測定する日本語版POMS(Profile of Mood States:POMS)を実施している。下位尺度は緊張-不安(Tension-Anxiety:T-A),抑うつ-落ち込み(Depression-dejection:D),怒り-敵意(Anger-Hostility:A-H),活気(Vigor:V),疲労(Fatigue:F),混乱(Confusion:C)の6因子で構成される。今回術前の精神科評価で要経過観察と判定されたドナー2症例の心理社会的問題に対して行われた他職種間連携によるドナーへの介入の結果,術後POMS・精神状態・生活環境の改善が得られた。移植前後の精神状態の指標の1つとしてPOMSなどの客観的尺度を用いた,気分評価も精神科評価において有用であると考えられた。

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© 一般社団法人日本臨床腎移植学会
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