2016 年 4 巻 2 号 p. 275-278
生体腎移植に携わるコメディカルが,Evidence Based Practiceを目指した多職種専門家からなる論文抄読会(抄読会)において,生体ドネーション支援に関する最新の文献から,本邦の現状と課題の検討・臨床への示唆を明らかにすることを目的とし,生体ドネーションに関する教育・評価・社会保障について検討した。教育についてはChronic Kidney Disease(CKD)全期を通した偏りのないRenal Replacement Therapy(RRT)のオプション提示や情報提供,RRT前後の病診連携のシステム構築,腎不全看護師など腎疾患専門家の活用,評価については術前後のフィジカルアセスメント・自己管理能力のアセスメントに加え,術後のドナー評価に対する社会保障制度の構築や病診連携,社会保障については変遷する医療経済やグローバル化も視野に入れた社会保障の情報更新があげられた。生体腎移植はRRTの1オプションとしての位置づけではなく,CKDという広い視野で捉えることの必要性と,移植率向上に向けても生体ドナーに対する安全で包括的な支援の必要性が抽出された。今後はこれらの示唆について,実現可能性を検討しながら臨床への導入を推進していく。