2017 年 5 巻 1 号 p. 28-33
【研究目的】腎移植後の塩分摂取過多は,高血圧や肥満のリスク因子であり,腎予後に関係することが示唆され,塩分制限は重要である。今回われわれは腎移植患者における塩分摂取の実態を明らかにするため,当院の腎移植患者における推定塩分摂取量と臨床背景の関連を検討した。【方法】2008年7月から2015年9月までに当院で腎移植を施行した60例(男性35例,女性25例,年齢45.9±13.9歳,生体腎51例,献腎9例)を対象とし,移植後1年間の外来受診時のデータを用いた。塩分摂取量は,随時尿でTanakaの式より推定した。【結果】平均塩分摂取量は9.0±1.9g/日であった。塩分摂取過多と関係したものは,退院時高血圧(p=0.034),移植時BMI≧24(p=0.048),非先行的腎移植例(p=0.039)であった。また,移植後1年間で体重が10%以上増加した症例では塩分摂取量が多かった(p<0.01)。【結論】塩分摂取量の推定は比較的容易で,腎移植後に塩分摂取量の増大が予想される症例では,推定塩分摂取量を提示し患者への自覚を促すとともに,積極的な栄養指導が必要と考えられた。