2017 年 5 巻 1 号 p. 23-27
【目的】臓器提供が推進されるためには,普及啓発活動も重要である。本学では,臓器提供の意義について選択制のゼミナールを毎年開講している。今回は,参加学生から得られたアンケートをもとに,ゼミナールが臓器移植に関する認識に及ぼした影響について調査したので報告する。【方法】本ゼミナールでは,薬学部の3年生を対象として,臓器移植に関する複数のテーマ毎に講義,少人数制の討議を繰り返した。さらに受講学生に対して講義前後にアンケートを実施した。【結果】アンケートの結果から講義後は,臓器提供に理解を示し,推進すべきとした学生が有意に増加した(p<0.0001)。さらに学生は,臓器提供に関する講義を受講した経験は少ないが,関心が極めて高いことが明らかにされた。【考察】薬学生に対する臓器提供に関する講義は,普及啓発の一助となることが示唆された。よって,臓器提供における講義がさまざまな教育機関で実施されることは,移植医療の定着に有用と考えられた。